家庭の写真が未整理でグチャグチャになってしまったのは、
技術が進歩して世の中が便利になったから
このあたりのことを時代を振り返りながら書いていきたいと思います。
さて、冒頭のグラフ、何のグラフかわかりますでしょうか。
緑は写真用フィルムの出荷推移、青はデジカメの国内出荷推移、赤はスマホの国内出荷推移のグラフです。世の中に公表されている資料を元に、それぞれピークの年を100として指数化しグラフにしてみました。
緑のグラフを見ていただくとわかる通り、フィルムのピークは2000年です。たかだか20年前にフィルムが最高潮だったわけです。私は2002年に富士フイルムでフィルムの製品担当でしたが(国内の商品企画や販売計画、需給調整等をやってました)、ジェットコースターのロックが外れたようにフィルムの需要が落ちていきました。
代わって急成長してきたのがデジカメです。次から次へと各社から新製品が発売されましたが(日本企業が世界を席巻していました)、それも2008年にはピークを迎え、やはりジェットコースターのように落ちていきます。
代わって登場したのがスマホ。私は2010年にiphoneを購入しました。当時、会社でスマホを持っている人はほとんどいませんでしたが(ガラケーが普通でした)、知り合いのクリエイターや編集者は皆iphoneを持っていて「吉村さんも絶対持つべき」と言われて買ったのを覚えています。今では当たり前のように皆使っていますが、当時は尖った一部の人の持ち物でした。ほんと嘘みたいですが。
グラフから、たかだか20年の間に技術のヤマが3つも立っているということがわかります。この大きな波に呑まれた写真業界はめちゃめちゃ大変で、生き延びるために否が応にも変わらざるを得ませんでした。この激動の20年間、私は写真業界の真ん中でマーケティングの仕事をしてきました。大変でしたけど得難い体験もできてラッキーだったかもしれません。
次回は、この大きな変化の中でユーザーの現場では一体どんなことが起こっていたのか、よりミクロの視点で見ていければと思います。